転職は逃げじゃないと後輩に教えてもらった話
私の悩みと会社選び
私がまだ学生の時。
就職活動をするにあたって、会社選びを失敗したくなかったので、
どういうことが嫌だと思うのか、今までの悩みを思い返してみました。
そして、ある共通点があることに気が付きます。
その悩みとは、先輩と馬が合わずに、仲違いするというもの。
納得のいかないやり方を押し付けられるのが嫌だったんですよね。
それでも、うまくやる方法はあったはず。
だいたいは、私が突っかかってうまくいかなくなっているのです。
それが原因で、部活を辞めたこともあり、それが逃げだと思って生きてきました。
なので、究極なことをいうと、会社はどこも同じ。
どこに所属したとしても結局は同じ悩みに突き当たる。
悩みの原因は自分にあるのだから。
悩みがあって、会社を替えたとしても、ゆくゆくは同じことで悩むだろう。
だから、転職なんて甘えだし、逃げだ、と会社に入ってからも思っていました。
後輩の相談
ある時、他部署の後輩が仕事をやめたいと相談してきました。
残業が多くて辞めたい。
製造じゃなくて、事務がしたい。
という理由。私は、その時に思ったことを率直に言いました。
残業時間なんて、他の会社と比べたら、ホワイトなほう。
事務がしたいなら、まずは異動を願い出てみたら。
意外とあっさり、「そうですね、それがいい気がしてきました。話せてよかったです。」
という感じだったので、私は1人社員を引き留めることができた、会社に貢献できたと思い上がりました。
後日、上司に後輩の話をしたところ、
「 引き留めちゃだめだよ 」
と言われ、聞き間違えかとかたまりました。
人当たりもよく、仕事熱心なタイプの後輩を、私は引き留めてしかりだと思っていたのです。
むしろ、「引き留められたんだ、すごい」と言われることを期待していたので、自分の高慢さが恥ずかしくなりました。
どうやら、辞めたいと思っている人を引き留めてはいけないらしいのです。
以前、なかなか辞めれなくて、心が病み、働けなくなった人がいたという話を教えてもらいました。
仕事のせいで病気になる人を増やしたくない、というのが上司の考えのようでした。
後輩のことを考えて引き留めたつもりが、よくよく考えてみたら、
やめることを肯定してほしかったのではないか、
背中を押してほしかったのではないか、
とも思い、猛省しました。
転職について考えるようになる
転職についてまったく考えてこなかった自分でしたが、
このエピソードをきっかけとして、どういう背景で人は転職するのかを考えるようになりました。
やめるということは、もう一度あの、就職活動をしないといけないということ。
転職先でうまくいくか分からない、
就職活動の苦労をもう一度味わなければならない。
中途採用だと条件が悪くなることだってある。
そんな不安な未来に飛び込んでいくということ。
しかも、会社をやめれば、逃げだと言われかねない。
会社を辞めるって、実はめちゃくちゃ勇気のいることなんだ
私は今まで、会社を辞めないことに逃げていたのではないか、と初めて気づきました。
その後、他の人からやめたいと相談されたときは、
彼らのやりたいことを応援するようになり、引き留めるのはやめました。
もちろん、上司に言われたから引き留めなかったのではなく、
いろんなことを考えた結果、新しい道を応援するという選択肢が私の中に加わったのです。
人が相談をする時というのは、実は自分の中で答えが決まっているんですよね。
自分がどう思っているのか確かめたいから、人に話すのだと思います。
相談してくれた人はどちらに背中を押してほしいのか、慎重に話を聞いて本人が答えを出せるように気をつけるようになりました。
そして、いろんな人の立場に立って話を聞いているうちに、自分も転職を考えるようになったのです。
あの時、後輩が相談してくれていなかったら、私はもう夢を見ることはなかったかもしれません。
後輩のその後
結局のところ後輩は、いろんな部署を渡り歩きながら同じ会社で働き続けています。
一緒に転職活動をしていた時期もあったのですが、なんだかんだ居ついており、私が先にやめるという事態に。
偶然か分かりませんが、彼女と一緒に仕事をした人は皆さん転職しており、
「私が先に転職するって言ったのにみんな先に転職しちゃった」と言っています。
彼女と話をすると、自分の奥底にある思いがほじくりだされるのかもしれません。
転職に悩んでいる人へ
転職をするべきかどうか、本当に悩みますよね。
「 何が正しいんだろう? 」と思うかもしれませんが、
自分が選択したことをいかに正しく導いていくかが大切だと思っています。
どの選択をするかではなく、『選択した後、どうやって行動していくか』を意識するのが正しい考え方でしょう。
『逃げる』という言葉は、悪い意味で使われていることが多いですが、
そうとも限りません。
『逃げる』には2つの意味合いがあると思っています。
1.動く(行動して逃げる)
2.とどまる(現状維持に逃げる )
同じことをぐるぐる悩むのであれば、
自分の心の奥底では、『行動して逃げたい』と思っているのかもしれません。
とどまる逃げでは、自分も周りも変わりませんが、
動く逃げでは、自分も周りも変わっていきます。
後輩が『動く逃げ』をしようとしていたことで、彼女の周りにいた人たちは環境を変えることができたのです。
環境を変えなかった人も「いつでも逃げれるんだ」と勇気を受け取ったことでしょう。
動く逃げは、自分にも周りにも勇気を与えることができるのです。
思い切って前に踏み出してみましょう。
私と後輩が使っていた転職エージェントさんのリンクを貼っておくので参考までに。
私も後輩も転職活動はしましたが、結局のところ転職はしませんでした。
登録したら必ず転職をすすめられるわけではないので、悩みを聞いてもらうつもりのフットワークで利用してみるのもおすすめですよ。
▽doda