配属先や異動が決まった人に言ってはいけない言葉
突然ですが、質問です。
目のまえに難易度の高い課題に取り組んでいる人がいるとします。
その人が「難しい、無理かも」と弱音をはいたら、あなたはなんと返答しますか?
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言葉は人の心を変える
わたしの話で恐縮ですが、
6月に結婚式の余興演奏を頼まれていて、その曲は10年ぶりにピアノを弾いている私にはかなりハードなんです。
正直なところ、本番までに間に合うかわかりません。
やるしかないと思いつつも
「難しい~」と旦那氏に弱音を吐いたら「よかったね」と返ってきました。
すると、不思議なことに
「練習がしんどい」というネガティブ感情から一気に前向きな気持ちになり
『難しい曲のほうがうまくなれるもんね!』と思考が切り替わったのです。
言われたのが「大変だね」「がんばれ」のような言葉だとネガ感情を引きずっていたと思います。
「よかったね」と言われただけで、脳が勝手に”よかった理由”をさがしてきてくれたんです。
旦那氏は、ほかのことに集中していて雑に「よかったね」と返していただけのようなのですが、
その言葉を選ぶセンスがすごい。
わたしだったら、「ふーん」「そっかー」あたりを使いそうなもの。
そうやって、周りに人が集まる人は、何気ないときの言葉を選ぶセンスがあるんだろうなと思ったわけです。
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同じようなことが過去にもありました。
新入社員で配属が決まったとき。
本社配属ではなかったからか、本社の人たちに「残念だね」と言われ続けてきたんです。
残念という意味がよくわかっていなかったこともあり、
『残念なのかぁ・・・。先輩たちが言うなら、そうだよな。』
と思ったんですね。
でもその人たちは、私の配属先に足をふみいれたことすらなかったので、何がわかるの?と今では思いますが。
新入社員にそういう擦りこみをするのは、コクすぎる・・・。
もちろん、悪気がないことはわかるのですが、
潜在意識で自分たちのほうが上だと思っていることがミエミエで、自分もそうならなくてよかったと本当に思います。
・・・話がそれてしまいましたが、
配属先は私の出身大学のある場所だったので、配属が決まったことを恩師に報告しに行きました。
「壮大に送り出してもらったのにまた戻ってきちゃいました」と。
そしたら、「よかったね」と言われたんです。
報告のしかたも決して前向きな感じではなかったのですが、
「よかったね」と言われただけで、
今まで思いつきもしなかった”よかった理由“がポンポンポンと頭の中に浮かんできました。
そのとき気づきました。
ずっと『残念だね』という言葉に惑わされていたことに。
残念だと言われたら残念だと思う理由が
よかったと言われたらよかったと思う理由が
無意識に浮かんでくるものなんですね。
その職場は、結局やめてしまったのですが、
前の職場の人たちとの付き合いはまだ続いていて
新入社員の子が希望通りの配属だったのにも関わらず「残念だね」と声をかけているベテラン先輩がいたので、
「何が残念なんですか?
希望通りなんだしよかったじゃないですか。
周りの人が、残念だと言うと残念に、よかったと言うとよかったことになるんです。
だから、決まった配属に対しては、よかったと言うようにしましょうよ。」
と、うざかったでしょうが言ってやりました。
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言葉の力って不思議ですよね。
なんと返していいかわからないときは、『よかったね』を使うようにすると相手の人生観が180°変わるかもしれません。
もちろん、いいほうに。
一言で人の気持ちを大きく動かせるのが言葉のすごいところ。
「残念だね」「大変だね」と言いそうになったときは、ぜひ「よかったね」を使ってみてください。