食品工場の検査の仕事って何をするの?【食品工場の品質管理】
品質管理ってどんな仕事をしているの?とよく聞かれます。
クレームがないとすることがないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
クレームが起きないように仕事をしています。
防虫や裏面表示(例:栄養成分)の作成など、いろんな種類の仕事がありますが、今回は検査について紹介していきます。
食品の微生物検査
食品の菌数が基準を超えていないか検査します。
調べる菌は、一般生菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌、カビ・酵母などです。
菌種によって生える培地が変わるので、それぞれ専用の培地を使って検査をします。
基準値を超えていた場合は、出荷を停止して原因を調べます。
賞味期限を設定する検査
食品の日持ちを検査して、賞味期限を設定します。
日持ちは、微生物検査と見た目、味、においで評価します。
日持ちした日数に0.7~0.8(安全係数といいます)をかけた日を賞味期限にするのが一般的です。
例えば、100日まで日持ちした場合は、70~80日を賞味期限にします。
厳密には、「安全係数は1未満にする」とされているので、必ずしも0.7~0.8ではありません。
賞味期限が長すぎると売れにくくなるので、実際の日持ちよりかなり短く設定することも。
ほんとうは1年以上日持ちするけど、60日に賞味期限を設定する なんてこともあります。
空中に浮遊している菌の検査
空気中に菌(主にカビ)がどれくらいいるかを調べます。
調べる目的は、
- 包装前の食品にカビがつかないようにする
- カビを好む虫の発生をおさえる
ためです。
基準値をこえたときは、カビが発生している場所を探して清掃します。
原因は、エアコンの清掃不足のことが多いです。
水質検査
食品、手洗い、調理器具の洗浄に水道水を使います。
水道水は塩素で消毒されているため、ほぼ無菌状態で安心して使えます。
が、しばらく水を出さないでおくと、水道管にたまっていた水の塩素が抜けてしまうことがあり、菌が増殖してしまいます。
ちゃんと塩素が残っている水を使えているか(残留塩素濃度0.1ppm以上)を測定し、変な味やにおいがないかを飲んで確かめます。
食品の官能検査
商品の味が日によって違わないかを毎日食べてチェックします。
手洗い検査
従業員ひとりひとりが、正しく手洗いができているかを検査します。
手洗い後の手を綿棒でふきとって確認します。
製造ラインの検査
製造ラインのベルトなどをふきとって、菌数を検査します。
基準値を超えると清掃不足なので、清掃のやり方を変えてもらいます。
アレルギー検査
商品を切り替えるタイミングで、製造ラインのアレルギーの検査をします。
本来、アレルギー別にラインを分けたほうがいいのですが、やむを得ない場合に検査で対応します。
清掃後にアレルギー反応が出た場合は、清掃手順を変えてもらいます。
腸内細菌検査
検便です。
従業員が食中毒菌をもっていないか調べます。
食中毒になっても無症状のことがあり、感染者から食中毒菌が食品に混入するのを防ぐためです。
陽性の場合は、陰性になるまでお休みしてもらうことになります。
製品の抜き取り検査
製品をランダムに抜き取り、外見の検査をします。
賞味期限シールが適切に貼られているか、印字がかけていないかなどをチェックします。
照度(しょうど)検査
仕事をするのに適切な明るさになっているかを調べます。
暗い環境での仕事はミスをしやすく、クレームに繋がります。
基準値以上の明るさがなければ、照明を増やすなどして対応します。
以上、11の検査を紹介しました。
簡単になってしまったので、後日詳細の記事も更新していく予定です。
わたしが担当していた検査のみの紹介になりましたが、
別の部署担当の検査では、
原料受け入れの検査(例:冷蔵品なら運搬時の温度が適切か)や
賞味期限ラベルのチェック(例:日付が違わないか、印字のかすれがないか)
なんていうのもあります。
これらの検査も会社によっては、品管が担当しているかもしれませんね。
▽別の記事で、食品工場の品管で楽しかった仕事についても紹介しています。
それではまた!